今日も明日も、マリリン日和

センター負傷棟から救出された雑種犬、マリリン。車いすを軽快に乗りこなすマリリンと、夫と、私。家族の日々の記録です。

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フィラリアを学ぼう(2) ~無症状でも危険!?恐怖の実態、の巻~

前回の続きです。

本日は、フィラリア症の症状についてまとめたいと思います。

フィラリア症の治療法はいくつかありますが、その治療法を選択するにあたっては、その子の症状をよく把握することが必要です。

フィラリア症の進行具合によって症状も様々であり、よって、その子の負担をできる限り軽減しつつ、最大限に効果的な治療法を考えなければなりません。

ただし、これが万全の治療法でフィラリア症はすっかり治っちゃうよ、といったものは残念ながら存在しないことを、しっかり認識する必要があります。

なぜなら、フィラリアに侵された犬の身体は、二度と感染前に戻ることはないからです。(一度侵された臓器は、治ることはありません。)



今日は、まずフィラリア症の進行度と症状の分類から考えたいと思います。

大まかに分類すると、以下のようになります。



1.初期感染   これは、無症状です。感染してまもなくは、何の症状もありません。

2.軽度感染   無症状または咳

3.中度感染   咳、運動不耐性、肺音異常

4.重度感染   咳、運動不耐性、呼吸困難、肺音・心音異常、肝臓肥大、意識喪失(脳への血流不足により)、腹水、死

5.大静脈(後大静脈)症候群 (ベナケバ症候群とも呼ばれます)




1~4が主な進行段階となっており、5については、別格の扱いですので、後でご説明いたします。


こうして見ると、最初の頃はほぼ無症状であることがわかります。


フィラリアは、寄生虫です。

「相手を生かさず殺さず」といった寄生虫の性質上、いきなり宿主の身体を殺すことはないけれど、徐々に臓器を侵し、それにより身体全体に影響を及ぼしながら、5~7年の寿命をまっとうします。

1の初期感染は、症状としては何もなく、2の軽度感染においても、咳が少し出る程度で、ほとんど無症状です。(ただし、進行速度は犬の年齢や体力、また成虫の数によっても違いますので、一概には言えません。)

軽度感染は、目安として、感染後1年~3年といった時間経過で、中度感染は、感染後3~4年と推測されます。

中度感染になると、肺音異常が発生します。

一般的に、心雑音などの心音異常が目安に思われがちですが、成虫は肺動脈に棲むことから、まずは肺音に異常が生じます。

私自身、マリリンを診ていただいた際に、心音異常はないとの診察で、フィラリア症としてはすごく軽いのだと思い大喜びしていたのですが、どうやらその認識は少し違っていたようです。

重度感染になると、毎年フィラリア予防がなされず、L3を持った蚊に刺されるたびに感染を繰り返し、大変な数の成虫が肺動脈にいるという、重感染の状態が考えられます。

ここまでいくと、ベナケバ症候群を起こす確率がかなり高まります。


我が家のマリリンは、いつ頃からフィラリア症なのかわかりませんが、症状からすると、おそらく軽度または中度の初めくらいかな、と思います。

咳は少ないですが、以前からずっと気になっていたことで、彼女は一般的な犬に比べて本当に疲れやすく、体力がないのです。

疲れの回復がかなり遅いですし、少し無理をすると、気管支を患います。

前脚だけで身体を動かしているから、それで疲れるのだとばかり思っておりましたが、こうして考えてみると、フィラリア症による運動不耐性の症状があるのではないかと思います。

気管支も、フィラリアの影響を受けているのかもしれません。

で、軽度や中度くらいだったら、そんなに成虫の数は多くないと考え、楽観視していいかというと、それは大変な間違いです。

30㎝にもなる寄生虫が肺動脈におり、それが活動するわけですから、たとえ少数の成虫であっても、血管の内膜が傷ついたり、寿命で死んだ虫により血栓ができたりすることで、肺動脈病変がつくられます。

それにより、呼吸器症状を引き起こします。

成虫が自然死した場合、たとえ死んだのが1匹だとしても、その死骸が心臓の血管をふさぎ、犬の命を奪うこともあります。

また、血栓等の様々な理由により血行が阻害され、肺動脈圧の上昇が起こり、肺高血圧症となります。

肺の血圧が上昇すると、右心室の圧が上昇し、右心室が拡張します。

こういったところから、心臓機能の低下により、腎臓や肝臓に悪影響を与えます。

心臓から離れたこれらの臓器を蝕むのには、フィラリアに寄生するある菌の力が関係していると言われておりますが、この菌については、また別の記事でお話したいと思います。


こうして見るとわかるように、たとえ目立った症状がなくても、確実に心臓やその他の臓器を蝕んでいくのですね。

余談ですが、マリリンは何かあるとすぐに肝臓の数値が異常値を示し、肝臓機能が良好ではありません。

先ほどの運動不耐性の話と同じく、もしかしたらフィラリア症が肝臓に悪影響を与えているのかもしれませんね。




それではここで、症状の分類の中で別格だと申し上げた、ベナケバ症候群について触れたいと思います。

これは、本来肺動脈に寄生している成虫が、何らかの原因により、右心室から右心房、さらには大静脈(後大静脈)へと移動することで、大静脈が閉塞され、突然のショック症状を引き起こすものです。

ショック状態になると、溶血性貧血やそれに伴う血色素尿(赤黒い尿)が認められ、すぐに外科的手術を施して成虫をつり上げないと、まもなく死に至ります。

このベナケバ症候群を引き起こすのは、成虫の大静脈(後大静脈)への移動です。

この移動を引き起こすきっかけとしては様々で、一番わかりやすいのは、重感染により大量に成虫がいて、それがあふれ出る形で移動を始めるというもの。

これについては、典型的なベナケバ症候群の症状(赤黒い尿など)があるので、フィラリアによるベナケバだと判断がつきやすいです。

困ってしまうのは、それ以外のきっかけで成虫が移動をすること。

たとえば、自然死した成虫の死骸が肺動脈を閉塞させたり、その他あらゆる血行の変化で、成虫の移動は起こります。

日常生活における急激な運動や興奮などといった血行に影響する行動や、加齢や熱中症からも成虫が移動を始め、ベナケバを引き起こす例も多くあります。

この場合、ベナケバ典型症状である赤黒い尿などが現れないので、病院でも判断がつきにくく、対応が遅れてそのまま命を落とすことも多いようです。

そして、おそろしいのが、まだ軽度感染でほとんど症状がないような犬でも、元気な状態からいきなりベナケバになり、ショックを起こして死に至る場合があること。

これは私も知らず、本当に驚きました。

また、アメリカの研究で、フィラリア症の犬は、症状の重さに関係なく、運動制限や興奮を抑えたほうが病の進行が遅いことがわかっております。

よって、フィラリア症を患っている犬は、たとえ無症状であっても、運動や興奮を抑えることで、進行を遅らせたりベナケバを防いだりすべきだ、ということです。

マリリンにも当然当てはまることですよね。

これまでも運動についてはある程度注意していましたが、その認識では足りなかったと反省しております。

また、彼女は大変興奮しやすいタイプなので、今後は今まで以上に興奮を抑えるような過ごし方を考えていきたいと思います。




今日は治療法まで書く予定でしたが、思いのほか長くなってしまいましたので、治療法については次回の記事で書きたいと思います。




ちょっと余談になりますが、こんなお話を。

ここ20年くらいでフィラリア予防が普及し、以前に比べて格段にフィラリア症を患った犬は減りました。

それ自体は大変喜ばしいことなのですが、少し困った問題も起きているようです。

それは、フィラリア症を診ることのできない獣医さんが増えてきていること。

都市部に行くほどそれは顕著になるようで、フィラリア症の診断ができなかったり、適切な処置がとれなかったりといったことがあるそうです。

確かに、今はフィラリア症というと、保護犬が中心となっており、実際にフィラリア症の犬を診た経験を持たない獣医さんが増えているのは理解できます。

しかし、フィラリア症自体をよく理解していない獣医さんもおられるようで。

経験がないのは仕方がないですが、知識がないのはちょっと・・・と思うんですよね。

なぜなら、予防が普及して数は少なくなったものの、だからと言って正しい知識を持たずに予防を軽んじ、もう昔の病気だ、などといった意識でいれば、たちまちこのおそろしい病気は増えてしまうでしょうから。

たとえ都会でも、L3を保有する蚊はいっぱいいます。

室内でも刺されます。

今の時代でも、簡単に感染するのです。

獣医さんは、人間の医者と違って○○科などのくくりがなく、幅広く診なければならないから大変だと思いますが、フィラリア症の知識は最低限持っていていただきたいと思います。

やっとマイナーになってきたフィラリア症という病気を、またトップクラスのメジャーな病気にしないように、獣医さんと飼い主さんで協力し、皆でがんばらなければならないと思っております。




さてさて、マリリンは、元気にしておりますよ~!

今朝の様子です♪


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「朝のおさんぽ、あさんぽよ~♪」


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「お日さまが気持ちいいの~!」


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「明日からずっと雨が続くんだってぇ。だ・か・ら・・・」


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「今のうちのあさんぽよ~!」


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「イシシシシ


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「あらま、駐車禁止だって。車いすもかしら?停車は許して~♪」


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「調子がいいから、坂だってぐんぐん上っちゃうアタシ!」


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「みんな~!今日も一日がんばろうね~!」

おかげさまで、とっても元気なマリリンです!(^^)!



読んでくださってありがとうございます!
次回、フィラリア最終章。
治療法の選択と、新しい治療法についてまとめたいと思います。

この先、フィラリアに悩む方がここに来てくださった際、少しでも参考にしていただければ・・・という思いで書いております。
こういった分野については書き慣れないので、読みにくい文章で恐縮ですが、どうかもうしばらくお付き合いくださいませ~(>_<)

明日、マリリンは専門医の診察を受けてまいります。
新しい治療法に挑戦できるといいのですが・・・。

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| ボルバキア治療 | 09:37 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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