今日も明日も、マリリン日和

センター負傷棟から救出された雑種犬、マリリン。車いすを軽快に乗りこなすマリリンと、夫と、私。家族の日々の記録です。

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あの日のこと ~8から11歳のお誕生日~

みなさま、こんにちは♪

明日から2~3日、マリリンと少しゆっくりしようと思いますので、今日は、一日早いですが、彼女の記念日のお話を書きたいと思います





マリリンと暮らしていて、毎日のように、彼女に語りかける言葉があります。

それは、

生きていてくれてありがとう

うちに来てくれてありがとう

ということ。

マリリンを見つめながら、撫でながら、自然といつも、その言葉がこぼれます。



明日、9月17日は、マリリンのお誕生日&うちのこ記念日です。

この機会に、今でも頻繁に思い出してしまう、あの日のことを、綴らせてくださいませ。



あの日のこと、とは、お届けの日のこと。

マリリンが初めて我が家にやって来た、あの日―――。





その日は、金曜日のお昼過ぎだったので、父ちゃんは仕事、母ちゃんがひとり、マリリンとスタッフさんのことを待っていました。

それはもう、滑稽とも言えるほどの緊張と動揺に溺れかけながら

その日までに、父ちゃんが、リビングに続く和室をすべてマリリン仕様に整えてくれました。

5キロのマリリンには巨大過ぎるサークルも、堂々たる存在感で待ち構えています。



今日から、あの子との生活が始まるんだ。

この先の私たちのすべてを、あの子に捧げよう。



里親会さんは、下半身不随の子との生活を心配し、あくまでもトライアルだということをおっしゃってくださっていましたが、私たちの中では、マリリンさえ受け入れてくれるなら、正式譲渡のつもりで生活をスタートする、と決めておりました。

私たちのすべてを捧げるなんて、いま思うと、マリリンにとっては、いきなりの重い決意(笑)

まだ互いのことをよく知らない段階でのその決意、恋愛なら大いに嫌われていたことと思います




そんなわけで、そわそわと部屋中を歩きまわり、落ち着かない気持ちで、今か今かとマリリンの到着を待っておりました。

最終的に、家の中で待っていられず、外に飛び出して歩きまわり。



そこへ、ゆっくりと角を曲がってこちらにやってくるワゴン車が。



来たーーー!!



駆け寄ると、ワンワンワンワン、大きな声が聞こえます。

マリリンが鳴いているのかな?

スタッフさんにご挨拶をしながら、威勢の良い鳴き声に、思わず顔をほころばせました。



「マリリン、着いたよ~!」

スタッフさんが後ろのドアを開けると、そこには、ケージの中で怯える2つの目。

その後ろで、ポメラニアンと思われる子が、元気良くこちらに吠えたてていました。

威勢の良い鳴き声は、マリリンではなかったようです。



マリリンは、網々の小さなケージの中で、必死にちっちゃくなり、自分の身を隠そうとしていました。

ケージに敷かれたペットシーツには、おしっことうんちが散乱しています。

その中で、震えながら縮こまっているマリリン。

マリリンちゃん・・・

そう小さく呼ぶと、チロリとこちらに目をやります。



ひとまず家に入ってお尻をきれいにしましょう、ということで、ケージが開けられました。

「○○さん、抱っこしてみますか♪」

スタッフさんの言葉に頷き、そっと両手に抱えました。

その瞬間、彼女の震えが止み、丸まった身体をこちらに委ねたのです。

安心したのでしょうか?

いいえ、彼女の目には、安心のあの字もありませんでした。

虚空を見つめ、心のシャッターを降ろしたように見えました。

そのとき私は、彼女を抱えたまま、声を上げて泣きそうになりました。

彼女のその姿に、これまでの過去が見えるような気がしたからです。



この子は、すべてを受け入れることで生きてきたんだ。

どんな状況が訪れようとも、自分に与えられている選択肢は、暴れるでも吠えるでもなく、助けを求めるでもなく、身を委ね、感情を失くし、受け入れるということだけだ。

そんなことを、これまでの半生で、小さな身体に刻んできたのかと思ったら、もうたまらなくて。



何もかも、抵抗せず、受け入れる。

自分に起こるすべてのことを、受け入れる。

それが、彼女が必死に学んだ、生きる術だったのでしょう。



スタッフさんは、5キロの身体を抱いたまま顔を上げられずにいる私に気づかぬフリをして、そっと準備を進めてくださいました。

家の中に入っても、マリリンは感情の光を遮断していました。

心に、分厚い布を覆いかぶせているかのようです。

しばらくお茶を飲みながら色々なお話をし、その後、スタッフさんは、先ほど元気良く吠えていたポメちゃんを届けに、2件目のお宅へと向かいました。






マリリンとふたりきりになり、ぎこちないながらも、声をかけ、目を見つめ、そっと身体を撫でました。

しかし、彼女の目は虚空を見つめたまま、何の感情も示さず、押し黙っていました。



おそらく、シェルターで、彼女は人間のやさしさに触れたでしょう。

後ろ足のハンデによって弱い犬だと見破られ、ほかの犬からはいじめられていたようですが、それでも、やさしい人間のお兄さんお姉さんが、たくさんかわいがってくれて、本当にうれしかっただろう、と思います。

ようやく、安心できる場所で眠ることができるのかな・・・。

そう思っていた矢先、またしても、こうして知らない場所へ連れて来られたのです。

こわかったと思います。

自分がどこへ連れて行かれるのか、何をされるのか―――。






ぎこちないふたりの時間がひたすら流れ、夜になり、そっと玄関を開ける音がしました。

父ちゃんです。

私たちがいるリビングの扉を数センチ開け、隙間からマリリンを確認し、無言でじっと見つめていました。

そして一言、「いるね」と言いました(笑)

この世で一番犬が苦手だった父ちゃんは、やはり家にやって来た犬・マリリンがこわかったようです。

いるね、と言われたマリリンは、虚ろな目で父ちゃんを見つめ返します。

しばらくの間、わずかに開けられた扉の隙間越しに、1人と1匹は見つめ合っていました。





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マリリンがやって来てすぐに、排泄が想像していた以上の垂れ流し状態であることが分かり、新聞紙を敷き詰めたり、ペットシーツを敷き詰めたり、試行錯誤。

マリリンは、じっと黙って、私たちの奮闘を見つめていました。




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試行錯誤の結果、どうにもならず、最後の手段であるオムツをしてもらうことに。

今でこそ、オムツをこんなに愛おしいと思い、マリリンのファッションだと思っておりますが、当時は、この選択をせざるを得ないことが、本当に申し訳なくて、「ごめんね」と謝りながら、めそめそ泣きました。




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サークルの外は落ち着かず、不安な様子だったので、ほとんどの時間をサークル内で過ごしていました。

母ちゃんも一緒にそこに入り、過ごします。

サークルを巨大にしておいたのが、思わぬところで力を発揮してくれました(笑)



無言のまま、互いの息遣いを感じ合う日々。




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サークルの外でも寝られるようになり、しかし恐怖は消えず、テーブルの下に入って固まっています。

腰から下が出ていることに気付かず、残念ながら下半身を守り切れていないあたりが、マリリンらしいです



この頃から、極度の分離不安が始まりました。

5分の留守番もできず、サークルを力の限りに噛み壊し、歯茎から血がほとばしる。

帰ってくると、はずれたオムツとともにうんちやおしっこが散乱し、さらに血しぶきが一帯に広がっている状態で。

マリリンはぐったりと疲れ果て、このままでは彼女の身体がぼろぼろになってしまうという不安から、母ちゃんは、スーパーや病院はもちろん、近くのコンビニにも行かれなくなり、長い引きこもり生活へ。

そんな中でも、車はわりと落ち着いて乗ってくれたので、休日には父ちゃんがドライブに連れ出し、ドッグカフェへ。

それがマリリンと母ちゃんの気分転換になり、救われました。

とは言え、カフェでも毎回てんやわんやでしたから、周囲に迷惑がかかりすぎるため、どちらかがマリリンを羽交い絞めにし、どちらかがランチを早食い、終わると交代、で、すぐ退散!ってな感じだったので、ゆったり楽しむイメージではありませんが。

ほかのお客さんの静かな時間を奪って、本当に申し訳なかったと思っております。

マリリンは、カフェでお店の方に受け入れていただき、いろいろな人や犬に出会い、様々な場面を経験することで、少しずつ恐怖がなくなった部分が大きく、カフェに育ててもらった犬だと感じております。

それゆえ、多大なご迷惑を申し訳なかったと反省する一方で、温かく受け入れてくださったお店やお客さんに、心から感謝の気持ちでいっぱいです。




サークルの外で落ち着いて過ごせるようになってからは、


CIMG1634_R.jpg
よくこんな風に、黙って外を眺めていました。



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外に出たいのかと、カートに乗せたり、スリングで抱っこしたりして、散歩に行こうとすると、仰天するほどの大絶叫&気が狂った大暴れ

お散歩が本当に楽しくできるようになったのは、およそ1年後、車いす「マリリン号」と出会ってからです。



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マリリンは、かなり長い期間、おそらくは1年くらい、安心できることはなかったと思います。

今は普通にしている行為、例えば、ブルブルッであるとか、カーペットに寝そべってゴロゴロ~であるとか、家の中から外に向かってワンワン!であるとか、そういった行為は、その1年の間、一切見られませんでした。

犬がよくやるカーペットを掘る行為を初めてしたのも、1年以上経ってからです。

ひとりになった瞬間にこっそりやっていたのかもしれませんが、少なくとも、私たちは見たことがありませんでした。

当時、犬ってブルブル身体を振らなくても生きていかれるんだ、としみじみ驚いたことを覚えております。





今では、遠慮のえの字のかけらもなく、おばちゃん根性丸出しで“自分、自分”の毎日

「あたしゃ~ね!!」と主張しながら、父ちゃん母ちゃんを従えています♪





あの日。

マリリンが初めて家にやって来た、お届けの日。

すべては、そこから始まりました。

マリリン家にとって特別な日となったあの日のことを、母ちゃんは、こうして折に触れて、思い出します。

そして、ぎゅーっとマリリンを抱きしめ、伝えます。


生きていてくれてありがとう。

うちに来てくれてありがとう。


そのたびマリリンは、迷惑そうに、母ちゃんの腕の中で身をよじるのでありました。









いつもマリリンのことを応援していただき、心より感謝申し上げます。

みなさまのおかげで、無事に8~11歳の記念日を迎えられますこと、何よりの喜びでございます。

未熟な私たちではありますが、これからも、マリリン家を見守ってやってくださいませ。

世界中の動物たちに、幸せが訪れますように。


| マリリンの記念日 | 07:51 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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