今日も明日も、マリリン日和

センター負傷棟から救出された雑種犬、マリリン。車いすを軽快に乗りこなすマリリンと、夫と、私。家族の日々の記録です。

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動物愛護センター 2

みなさま、こんにちは。

応援してくださる方、いつも本当にありがとうございます。

心から感謝申し上げます。





前回の続きです。

今日から込み入った話になります。

しんどいですが、動物たちにとって、とても大事な内容だと思います。

つらい写真や動画を掲載することは、ございません。

想像力を働かせ、思考をめぐらせることで、はるかに強い印象をもって、意識の中に定着するものと思っております。

できるだけ感情的にならず、淡々と事実を綴ってまいります。

どうか、お付き合いくださいませ。





見学を終えた私たちは、2階の部屋に案内されました。




ここで、先生からお話を伺います。



まずは、センターの概要から。

職員数は、全員で15名。(2月当時)

管理職2名、業務職8名、そして獣医師5名。

管理職の方も、獣医師免許を持ってらっしゃるようです。

散歩、ごはん、動物たちのいるところの徹底的なそうじ、また健康管理など、動物の身のまわりのことは、1名の事務員さんと管理職を除く12名でまわしています。

動物のお世話以外の業務も山ほどありますから、みなさん相当ハードに働かれていることがわかります。

休日も、ローテーションを組んで、12名の方々が交代で動物たちのお世話をされてらっしゃるようです。




犬の収容数は、私たちが想像していたよりも、少なかったです。

この日、犬は、ふれあい犬を含め、10頭程度ということでした。

保護室に収容されている犬は、必ず1頭ずつ檻に入れているそうです。

きょうだい犬や、ずっと一緒に寄り添って暮らしてきた犬同士、といった場合じゃない限り、事故防止等の観点から、1頭ずつ収容しているとのことでした。




次に、収容数の内訳です。

2月当時における、ここ3年の平均としては、

・保護(迷子犬)・・・222頭

・負傷・・・7頭

・引取り(所有権放棄)・・・82頭

ほか、譲渡後返還など。

合計で300頭をこえる収容があります。



この中で、成犬は89%、仔犬11%

成犬が多いのは、都市部の傾向だそうです。

野良犬が少ないため、子どもがうまれることも少ないということでしょう。

いわゆる、「野犬」については、18年にセンターができた当初、相当力を入れて対応したため、現在はほとんどいないとのこと。

収容した犬の犬種の内訳は、雑種52% 純血種(ハーフ犬含む)48%



ただ、この保護された犬の数というのは、あくまでもセンターに収容された数です。

警察で一時的に保護され、飼い主に返還されるなどの数字は含まれておりません。

ブリーダーの倒産・崩壊、多頭現場の崩壊などで、愛護団体が直接レスキューに行き保護する犬たちもいます。

また、飼い主放棄の場合でも、放棄された犬を一般の方が保護することもあります。

そういった犬の数をすべて含めると、実際に市内で保護される件数というのは、もっと多くなるでしょう。




収容した犬たちがどうなったか。

同じく、ここ3年平均で、


・飼い主返還・・・99頭

・譲渡・・・94頭

・殺処分・・・111頭

・病気やケガによる死亡・・・10頭

ほか、申請取下など。


大体、毎年300頭近くの収容があり、その後の内訳は、飼い主返還・譲渡・殺処分で3分の1ずつの割合になっているそうです。




CIMG4268_R4.jpg




次は、殺処分についてのお話。



本などを調べてもなかなか得られなかった部分を、今回はお聞きしたいと思っておりました。

先生は、細かな質問にも、丁寧に答えてくださいました。

途中からは、互いに話の呼吸がどんどん深まり、予定外の質問も飛び出すなど、少し踏み込んだ内容になったのではないかと思います。





先ほど書きました111頭の殺処分が、どのように行われるのか。

殺処分について話をする場合、前提として知っておく必要のある事柄だと思います。





このセンターでは、殺処分は1頭ずつ行っているそうです。

私たちは、様々な本やネットから、何頭か一緒にガス室に入れられると情報を得て、それを信じてまいりましたので、驚きました。



「1頭じゃないと、恐怖や苦しさで暴れたときに、ケンカになったりケガをしたりするでしょう? 死ぬときにまで、そんな思いはさせたくないんです。 死ぬときくらいは、せめて。」

先生は、ぽつりぽつりとおっしゃいました。



犬1頭1頭について、殺処分するか譲渡対象にするかの判断をするのは、「全獣医師の総意」。

特に、咬むなどの行為をする犬の場合は、判断が難しい。

最初に職員がかなり手強い目に遭ったとしても、それは、犬にとって、その職員がたまたま苦手なタイプの人だった可能性もあります。

一部の人間には心を許してくれる、というような場合もあるため、全員で検討するそうです。

もちろん、その時々の収容状況なども絡みますが、与えられた条件の中で、精いっぱいの判断をなさっております。

「決して、間違いはおかしたくないんです。」

先生は、はっきりと、そうおっしゃいました。

動物を殺処分する、という極限の業務の中でも、懸命に彼らが生きられる道を、みなさんで模索してらっしゃいます。




CIMG4318_R4.jpg




続いて、殺処分の方法。

殺処分となった111頭の犬は、87頭がガス処分、24頭が麻酔処分となっています。(2月当時における、ここ3年平均)



<ガス処分>


ガス室に入れ、二酸化炭素を注入。

一酸化炭素などの強いガスを使えば、より苦しまずに早い段階で息絶えることができますが、それには問題があります。

危険な有毒ガスがわずかでも漏れ出たら・・・と考えると、とても使うことはできないそうです。

一酸化炭素は、本当におそろしい。

職員や、周辺住民の方々が危険にさらされたり、健康被害を被ったりする可能性のある方法は、行政としては採れません。



二酸化炭素は、はるか昔、人間が手術をする際の麻酔としても使われていたそうです。

いわゆる麻酔の作用というのは、投与後の状態が4段階にわかれます。



麻酔投与
 ↓
興奮期
 ↓
沈静期
 ↓
手術期
 ↓
深(しん)麻酔(過麻酔とも言う)



二酸化炭素だろうと、麻酔注射だろうと、麻酔の働きは決まっていて、どれもこの経過をたどります。

興奮期が最初に来て、その後、人間の場合だと強い頭痛を起こすこともあるようです。

興奮期がおさまると、沈静期に入ります。

そして、手術可能な手術期へ。

最後の深麻酔までいくと、息絶えます。



動画サイトに載っている、ガス室の中で犬たちが暴れている場面は、興奮期の状態を撮影したものと思われます。

興奮期は、約10分ほど続き、その後、身体が重く動かせなくなり、ぺたっとうずくまります。

そうなってから、20分程度で、死亡するようです。



こういったことから、先生方は、いかに「興奮期」を短くするかということに力を入れておられます。

二酸化炭素は、下に充満するため、立った犬の口もとのあたりは、濃度が薄くなり、その分、興奮期が長くなってしまいます。

つまり、下にたまってしまう二酸化炭素を、室内で均一にし、いかに早い段階で犬が沈静期を迎えられるようにするか、ということです。

ガス室の機械が古いものだと、空気のかくはんがうまくいかず、下にたまったままの状態になってしまうそうです。

このセンターの機械は、比較的新しいので、今のところ空気のかくはんがうまくいっている、とのことでした。

とは言え、もちろん、苦しまずに死ねるわけでは、決してありません。

何をどう努力しても、少し時間を短くできるだけのことであって、犬たちは、みな苦しみの中、息絶えていきます。




<麻酔処分>


最近では、麻酔による処分も少しずつ増えてまいりました。

鎮静剤を打って犬が落ち着いたところで、麻酔薬を注射し、死なせる方法です。

これも、決して安楽死というものではありません。



鎮静剤を投与した後、麻酔薬を注射します。
(鎮静剤は、麻酔とは違うので、これを大量に打っても死ぬことはできません)

その後は、先ほど書きました、4段階の流れをたどります。

ただ、4段階すべて合わせた時間がおよそ1分程度と、短い。

そういった意味で、二酸化炭素よりはまだましなのではないか、と考えられています。

麻酔薬の場合、呼吸停止が先に起こり、続いて心停止が起こります。

通常は、その間が1分もありません。

さらに、麻酔薬を心臓に直接打った場合は、もっと早く、数秒程度で心停止に至ります。
(心臓の左心房をねらって打ちます)



ただ、まれに耐性のある犬がいて、なかなか心停止の状態にならない場合があります。

そうすると、意識はあるけれど呼吸は停止している、という状態になり、それは犬にとっては、おそらくとても苦しい時間だと思います。

確認してみて、まだ心停止していなければ、急いで麻酔薬を追加投与するそうです。

麻酔薬に耐性のある犬かどうかは、打ってみないと分かりません。

だからと言って、高い麻酔薬を、毎回多めに使うわけにもいかないでしょう。

すべて予算に基く業務ですから、職員の方々の思うようにはできません。



このように、麻酔の量の判断が難しいことに加え、多少なりとも獣医師の技術にも左右されるようです。

心臓に直接打つのを得意とする先生ばかりではありません。

足などの静脈に打つほうが確実に行うことができるため、そちらを選択する先生も多く、その場合は、心停止までの時間は、心臓に直接打つよりも、わずかですが長くなります。



もう一度書いておきます。

麻酔処分も、安楽死ではありません。

二酸化炭素ガス処分に比べて苦しみが少ないとは言い切れないし、本当のところは、犬たちに聞いてみないと、誰にもわかりません。

ただ、心停止までの時間の短さから言えば、麻酔処分のほうが、まだましではないかというだけのことです。

先生は、可能な限り、今後はすべて麻酔処分にしていきたい、とおっしゃっておりました。





ただ、麻酔処分には、2つの問題があります。



1つは、麻酔処分が難しい犬がいる、ということ。

やはり、獣医師が直接手で行いますから、かなり暴れてしまう犬、咬んでしまう犬は、ガス処分でいかざるを得ないこともあるようです。

危険を伴う場合は、ガス処分となります。



もう1つの問題。

それは、費用です。



二酸化炭素のガスボンベは、1缶3300円。

これで、50頭に使用できますから、1頭あたり66円。

もう少し多く使えないこともないのですが、ガスが残り少なくなってくると、圧が低くなり、二酸化炭素の濃度が薄くなってしまう。

そうすると、犬たちにとって、苦しい時間が長くなってしまいます。

なので、50等程度と決めて使っているそうです。



麻酔薬は、100mlで1万円。

これで5頭分なので、1頭あたりは2000円ほどかかります。

二酸化炭素ガスと麻酔薬で、約30倍の違い。

保健所における動物の殺処分は、すべて税金で行われますから、予算の関係上、麻酔薬のようにお金のかかるものは、なかなか使用することができないのが現状です。

このセンターは、予算からすると、ある程度は麻酔処分を選択することができる、といった状況。

あとで調べてみたところ、政令指定都市は、わりと予算が確保できるからでしょうか、全国的にも、麻酔処分を行っているところは多いようです。

しかし、予算的に厳しい保健所・センターもたくさんあり、まだまだ多くの自治体において、二酸化炭素が使われております。





殺処分のお話の最後に、たずねました。

殺処分を担当する方は、どういった方ですか。

ローテーションなどで決まっているのでしょうか。


「殺処分を行うのは、すべて、獣医師です。」


そう言った後、先生は、獣医さんたちの痛みを想像する私たちの思いを、感じとったのでしょう。

ひとつ呼吸を置いて、


「ローテーションではなく、そのとき手のあいている獣医師が行ないます。

センターの全獣医師が、この仕事を理解して、やっています。

忌避する者は、ひとりもおりません。

後ろめたい職業だと言われることもありますが、わたしたちは、手を抜いた仕事をしたことは、一度もないんです。

それだけは、信念として持っています。」


前方を見据え、そうおっしゃいました。



その目で見てきたこと、身体で感じてきたこと。

何度も何度も、張り裂けるような痛みを経験してこられたのだと思います。

「忌避する者は、ひとりもおりません。」

このお言葉は、今もたびたび、私の中で、熱をもってよみがえります。

人間たちの勝手が、動物たちを苦しめ、またこうして、人間をも、苦しめているのです。

痛みを一手に引き受ける先生の目を、私たちは見つめることができませんでした。

滲んでゆくノートの文字を、ただただ、にらみつけ、拳を握ります。




CIMG6724_R3.jpg




最後まで読んでくださった方、心から感謝申し上げます。




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「あたしは、茨城県のセンターで殺処分の運命にあったところ、愛護団体の方が引き出してくれました。

たくさんの人の助けにより、今こうして生きることができています。」




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「みなさん、ありがとう。 精いっぱい、命の灯を燃やします。」


| 愛護センター | 07:07 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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