今日も明日も、マリリン日和

センター負傷棟から救出された雑種犬、マリリン。車いすを軽快に乗りこなすマリリンと、夫と、私。家族の日々の記録です。

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高齢者と犬

みなさま、こんにちは~!

今日は、あまり楽しくないお話ですが、チラと目を通していただけるとうれしいです。



ストラバイトの発症がきっかけとなり、なんだかんだと毎週のように病院通いが続いているマリリン。

先日そこで、ひとつの出会いがありました。

ご婦人が抱っこした、小さな柴犬。

待合室で隣同士になり、お互いに手もとに抱いた犬を見て、思わず笑ってしまったのです。

あまりに似ていたので。

その小さな柴ちゃんは、まだ5か月の仔犬でした。




CIMG7890_R3.jpg
「かわいかったよ~! あたしになついちゃってさ、困ったもんよ。」




ママであるご婦人の腕を枕にして寝ころんだまま、こちらにびよ~~んと首を伸ばし、マリリンに興味津々。

身体は起こさずにスンスン匂いを嗅ぐ姿を見て、思わず、「怠惰だねぇ。」と言ってしまいました

ご婦人は、目を細めてマリリンを撫でてくださり、そして、腕の中の柴ちゃんに視線を落とすと、言いました。

「この子ね、最近うちに来たところなの。おばあちゃんが飼えなくなっちゃってね・・・。」

え? おばあちゃん?

「私もよく事情は知らないんだけどね、おじいちゃんとふたり暮らしのおばあちゃんが、ひとりでペットショップで犬を買っちゃったみたい。

それで、家に連れて帰ったものの、一緒に住むおじいさんは大反対。

体力的にも、仔犬の世話はとてもできなかったようで、まもなく家に置いておけなくなったらしいの。

でね、それを知った人が仲介に入って、こうしてうちと縁がつながったの。」

そうだったんですか・・・。

おばあちゃん、いくつくらいだったんだろう。

「う~ん、聞いた話だと、かなり高齢で、80近いみたいよ。

私ね、おばあちゃんには会わないようにしようと思うの。

お互いに何だか、あれじゃない?

同じ地域らしいんだけど、複雑な気持ちになっちゃうから、会うつもりはないの。」

腕の中の柴ちゃんは、自分の話だと知ってか知らずか、相変わらず首だけ反り返らせて、マリリン姐さんの顔の匂いを嗅いでいました。




CIMG9487_R3.jpg
「なんてこったい。 柴ちゃん、処分にならなくて良かったよ。」




思うことがいろいろとありすぎて、なかなかまとまりません。

今回は、こうしてやさしいご家族と縁があり、命をつなぐことができたから、良かったと思います。

この柴ちゃんは、間違いなく幸せな犬生を歩むでしょう。

けれど、やはり、もやもやします。



高齢者と犬の問題は、身近にたくさん存在します。

高齢のおばあちゃんが犬を買おうとしたことはもちろん残念ですが、売るペットショップも、大きな責任があります。

売れるものなら何でも売る。

そういうことでしょうか。



CIMG1246_R4.jpg
「浜田省吾が歌ってるよ。 売れるものならどんなものでも売る、それを支える欲望~って。」




高齢の方だと、すでに認知症を発症している場合も少なくありません。

今回の売買契約を絡めながら、その問題について少し書かせてくださいませ。




この国には、「契約自由の原則」というものがあり、一度契約した以上、理由もなくそれを無効にすることはできません。

私人間でどんな契約をしようとも、そこに国家は介入しない、ということです。

よって、裁判などでは、契約を無効にしたい側に証明責任があります。
(詐欺や錯誤、意思能力の有無がこれに当たりますが、こういった証明はとても難しいです。)



ただし、例外的に、その契約を取り消す行為が、認められることがあります。

本人が、成年後見制度を利用し、成年後見人がついている場合です。



認知症などの要因で、事理弁識能力(自己の行為の結果を弁識するに足りる精神的な能力のこと)を欠いている状態になった場合、親族などの申し立てにより、裁判所の審判を経て、成年後見人が選任されることがあります。

選任後は、被後見人(本人)に代わり、成年後見人が仕事として、裁判所の監督のもと、財産管理を行います。

成年後見人は、第三者が担当する場合は弁護士や司法書士が選任されますが、親族が選任されて任務を行うパターンも多くあります。

親族が成年後見人となった場合、事情によっては、弁護士や司法書士が成年後見監督人に選任され、その任務をサポートします。

こうして財産管理がスタートすると、原則として、被後見人は単独で法律行為(売買契約などのことです)を行うことができず、成年後見人がその代理として法律行為を行うことになるのです。



もし、被後見人が単独で法律行為を行った場合、成年後見人は、被後見人の安全・利害を考え、その法律行為に対して取消権を行使することができます。

通常、法律行為を取り消すには、意思能力がなかったのだからその取引は無効だ!などの証明責任がありますが、そういった証明をすることなく、成年後見人が取り消すことができるのです。

主に、悪質な訪問販売の被害にあった場合などにおいて、この取消権は、大きな力を発揮します。

ただし、例外的に、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、被後見人が単独で法律行為を行うことが認められています。

ジュース1本買うのに、いちいち「取消権を行使する!」などと後から後見人に言われて取り消されたんじゃあ、お店もたまったもんじゃないですし、取引の安定が図れません。

また、被後見人の社会参加という観点もあり、この例外規定が設けられています。

そのため、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、成年後見人は取消権を行使することができません。

つまり、契約はそのまま有効である、ということ。



では、果たして、犬は日用品と言えるでしょうか。

金額的にも大きな契約ですし、とても日用品とは思えません。

成年後見人がついていれば、取消権を行使し得る事案だと思います。



今回の柴ちゃんのおばあちゃんは、事理弁識能力があったかどうかは分かりませんが、80歳近い高齢者に犬を売るという行為は、上記のような問題に発展する要素を十分に含んでいるのではないかと思います。



こういった高齢者との契約が、全国のペットショップや移動販売等で、どれほど行われているのでしょうか。

考えると、背筋がひやりと冷たくなります。

どうか、お店側も、売れるから売るのではなく、家族に連絡をとるなどし、その結果「売って良いと判断できる正当な事由があること」を確認してから、契約を結んでいただきたいと思います。

とは言え、それはあくまでも手続き上の不備だけを考えた場合のこと。

私個人としては、家族への連絡などでどれほどの確認作業をしようとも、ひとりで来店した高齢者に対し動物を売る行為は、倫理に反すると思っております。




80歳近くで仔犬を購入し、その後15年生きるとすると、飼い主は95歳近く…!

どう考えても、犬の身のまわりのことや散歩など、一切できないでしょう。

老犬になり、その子に介護が必要になったときに、飼い主さんが寝たきり、もしくは、先に天国でお待ちしています、という可能性もあります。



愛護センターの獣医さんがおっしゃっておりました。

ここ数年、飼い主さんが高齢で飼えなくなったから、という理由で保健所に持ち込まれる動物が、格段に増えている、と。

人間からすれば、事情が変わったのだから仕方がないじゃないか、どうしようもないんだ、となるのかもしれません。

飼えなくなった事情は、もちろん仕方のないことです。

たとえば突然の不幸の場合など、その飼い主さんの悲しみ、苦しみを、誰が責めることができましょう。

けれど、事故や病気のように予測できないものと違い、自分の年齢は予測できることなので、高齢を理由に保健所に持ち込む飼い主さんには、やはり飼う前に先のことを考えていただきたかったな、と思ってしまいます。

人間にとっては仕方がないことでも、動物たちにとっては、生きるか死ぬか、なのですから。




人それぞれ、健康状態など個々の違いはあると思いますが、いま犬を迎えた場合、その犬の介護までできるかどうか、ということを、真剣に、本当に真剣に考えていただきたいと願います。

ペットショップでコロコロと転がる毛玉っ子たちを目にしてしまうと、判断が鈍ることもあると思いますが、どうか、家へ帰って、冷静に考えてください。

ご家族が一緒に世話をしてくれると言った場合も、冷静に。

ご家族だって、生活環境はどんどん変化していきます。

そのときに、「おばあちゃんが買ってきた犬、厄介になってきた」ということになるかもしれません。

なので、誰かが助けてくれる前提ではなく、あくまでも、自分が最後まで面倒をみることができるか、老犬介護ができるか、それだけをシンプルに見極めていただきたいな、と思います。




また、犬を家族に迎えるのは、仔犬だけが選択肢ではありません。

保護団体さんや保健所には、落ち着いた年齢の犬もたくさんいます。

その子たちと寄り添いながら、静かに年を重ねるのも、素晴らしい人生の選択だと思います。




私たちも、このくらいの年齢まで、ということは夫婦で決めておりますが、もちろん、今後の健康状態などの変化によっては、その年齢を前倒しして考えてまいります。

それと、年齢に関係なく、人間いつどうなるか分かりません。

事故に巻き込まれることもあるかもしれませんし、突然の重篤な病気もあるかもしれません。

そのときのために、普段から、万が一のときに犬のお世話を頼める方にお願いしておくことも大切だと思います。




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それと。

高齢者関連でよく耳にすることが、もうひとつあります。

実家を出た息子さん娘さんが、親が寂しいだろうと、ペットをプレゼントする、という話。

何と言うか、もう・・・

動物を飼うときには、その人自身の意思で決定しなければいけません。

命を預かるのですから。

このプレゼント方式については、高齢者の例だけでなく、似たような話がありますよね。

誕生日にサプライズで仔犬をプレゼント!とか。



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「お願いだから、命のプレゼントなんて、やめてください。」



もちろん、犬好きの人で、その後も最後までかわいがってくれることもあるでしょうけれど、そうでないこともたくさんあります。

動物を育てていくには、大きなお金が必要です。

また、一日の中で、かなりの時間を動物にあてることになります。

今まで通りの生活をする、ということは、難しいでしょう。

お金や時間の責任を負わずに、人にプレゼントするなんて・・・。

取り返しのつかない自己満足です。

もらった人だって、自分が覚悟を決めて準備を進めてから迎えた場合と違い、いつもどこかで、理不尽にも似た思いが胸に残ると思います。

それは、犬も飼い主も、お互いにとって、幸せなことではありません。

どうか、安易なやりとりはせず、将来の生活までよく考え、ピンと揺るぎない覚悟を持った上で、動物を迎えていただきたいと思います。



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「あたしたちには、飼い主がすべてなんです。 仲間たちを悲しませないでね。」




楽しくないお話ですが、読んでいただきありがとうございました。

みなさま、どうぞ良い週末をお過ごしくださいませ

| つれづれ | 08:18 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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