今日も明日も、マリリン日和

センター負傷棟から救出された雑種犬、マリリン。車いすを軽快に乗りこなすマリリンと、夫と、私。家族の日々の記録です。

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動物愛護センター 4

前回の続きです。

シリーズは、今回を入れて、あと2回となりました。

もうしばらくのお付き合いをよろしくお願い申し上げます。




CIMG4071_R4.jpg




今回は、猫のお話です。



先生は、「まず最初に・・・」と、前置きを始めました。

「犬と猫では、不幸になる背景が違います。

それを混同して議論する人がたまにいるのですが、犬と猫は問題を分けて考えたほうが良いと思います。」



以下、先生のご説明です。



現在、私たちの市では、犬は、ほとんどが飼い犬の問題です。

数年前までは、野犬や野良犬がかなり多くいました。

しかし、センターができた当初、まず野犬対策に相当な力を入れたのです。

2~3年後には、今のように、野犬や野良犬はほとんど見かけない状態となりました。

よって、現在、問題が生じるのは、飼い犬もしくはブリーダーの繁殖犬。

ブリーダーに対しては、行政としては、定期的に、または苦情等があった場合、抜き打ち検査を行っています。

状況によって、指導、勧告、命令を出すことがあります。

(ただ、これは先生のお話から受け取った私の主観ですが、実際には、勧告程度が多く、悪徳ブリーダーが決定的なダメージを受けるほどの厳しい措置は取りづらいのが現状のようです。)





飼い犬の問題に対しては、まず第一に、迷子犬を減らすことと、迷子犬の返還率を上げること。

迷子犬を減らすにあたっては、鑑札や迷子札の啓発。

それらを犬につけておくことがいかに大切であるかを、広く市民に知ってもらうこと。

また、犬の探し方の啓発も、重要です。

迷子になった犬をどこに問い合わせればいいか、どうやって探したらいいか、その方法を知らない飼い主は多い。

迷子になったら、まずはセンターに連絡をすること。

市外で保護された場合はセンターに情報が入りにくいので、警察署や近隣自治体にも連絡をしておくこと。

それらの啓発に力を入れています。

また、迷子犬の情報がセンターのホームページや自治体の掲示板に載っていることも、広く知ってもらう必要のある事柄です。



と、ここで。

夫が、口を開きました。

「鑑札って、あのデザインとか素材とか、もう少しどうにかならないものでしょうか?

デザインなどが変われば、つけるようになる飼い主も増えるかもしれない、と思ったのですが。」

先生は、たははと苦笑し、「いや~、それは確かにおっしゃる通りなんですよね。」と頭をかきます。



「ただ、すべてを税金で行っている以上、我々職員が要望したところで、その力はとても弱いのです。

なので、ぜひ、市長にご意見をメールしてください!

市民が要望しているとなれば、話は変わってきますから。

すべてにおいて同じことが言えるのですが、要望があったら、どんどん市長に送ってください。

こうしたほうが良いじゃないか、と当然のように感じることであっても、職員が言ったところで、どうにもならないんです。

ぜひ、市民のみなさんのご意見をください!」



市長に直接メールを送るという発想が身近になかった私は、あぁ、なるほど!と膝を打ちました。

確かに、税金で仕事をしている以上、市民の要望がなければ行政も動かない、いや、動けませんよね。

すぐに、税金を勝手に無駄遣いした!と言われるわけですから。




CIMG3991_R4_20131105143842768.jpg




話を戻します。

以上のように、犬については、ほとんどが飼い犬の問題。

一方、猫の場合はどうかと言うと、ほとんどが野良猫の問題なのだそうです。



いま必死に生きている彼らの命も守らなければならないけれど、並行して、これ以上悲しい思いをする命が増えないようにしなければ、いつまでたっても同じ事の繰り返し。

食べ物をあげるなら、それと同時に、不妊・去勢手術を。

それを、強くおっしゃっておりました。



市では、野良猫の手術費用の助成金を交付しています。

平成25年度分は、10月をもって予算に達してしまい、受付は終了しましたが、来年度また予算が組まれる予定で、改めて受付を開始するそうです。

原則として、1世帯あたりの制限はありません。
(申請状況等により、個別に制限をかけることはあります)

この助成金は、あくまでも、「野良猫」の手術に交付されるものです。

飼い猫の手術をするのに助成金をくれ、と言ってくる人が少なくないそうで、その話に唖然としてしまいました。



ここ最近の、一年間の猫の収容数の内訳は、以下の通りです。


・保護(迷子や、拾得者からの引取り)・・・735匹

・負傷・・・64匹

・引取り(所有権放棄)・・・106匹

ほか、譲渡後返還など。

合計、900匹程度の猫がセンターに収容されます。



その猫たちが、どうなるのか。

以下、内訳です。



・飼い主返還・・・7匹

・譲渡・・・158匹

・殺処分・・・334匹

・病気などによる死亡・・・405匹

ほか、申請取下等。



犬との違いが顕著なのは、収容後に病気などで死亡する数です。

これもやはり、猫の問題がほとんど野良猫の問題であることによります。

野良猫が妊娠し、生まれた仔猫が大量にセンターに持ち込まれます。

繁殖シーズンなどは、毎日たくさんの仔猫が連れて来られるそうです。

そういった事情から、センターに来る猫のほとんどが、仔猫。

生まれたばかりの仔猫を、自力で生きてゆけるまで育てることは、とても難しい。

付きっきりで面倒を見て、細心の注意を払わなければ、その命は力尽きてしまいます。

ましてや、ここはセンター。

センターに運ばれる仔猫というのは、すでにその時点で弱っていることが多く、健康な仔猫はとても少ないそうです。

冷暖房は24時間完備されているものの、仔猫たちを育てる環境が整っているわけではありません。

多くの仔猫が、病気などで命を落としてしまいます。

愛護団体さんには、仔猫を育てるベテランの方もいらっしゃるので、その方々にお願いして育ててもらうこともあるようですが、繁殖シーズン中は、ボランティアさんも手一杯。

やはり、すべての仔猫を助けることは、難しいようです。



生き抜くことができた仔は、その後、譲渡対象になります。

問題は、生き延びることが難しい仔たちの、運命。

弱っている仔猫の生死の見極めが重要だ、とおっしゃっておりました。

生死の見極め・・・いわゆる、処分か、衰弱死か、ということです。



職員の方々は、仔猫が生き延びることができるよう、最大限の力を尽くします。

ボランティアで24時間体制の世話をする場合もあるようですが、繁殖シーズンなど、それも限界があります。

やまを越えれば、この先も生きてゆかれる可能性がある。

しかし、やまを越えられなければ、苦しみながら、息絶えることになる。

毎日のように、それを見極めなければならないそうです。


「処分か、衰弱死か・・・。

仔猫にとって、どちらがいいのか、私たちには分かりません。」


先生は、おっしゃいます。


「仔猫に聞いてみない限り、誰にも分かりませんが、ただ、やまを越えられず衰弱死する可能性が極めて高い仔猫の場合においては・・・。

ひとりぼっちで苦しみながら時間をかけて死んでいくより、見守られながら短い苦しみで死ぬほうが、まだましなことではないかと考えているのです。」


見極めは、その日担当している獣医さんに任されているそうです。

獣医さんが、見極めをし、このままにしておくことができないと判断した仔猫について、処分を行います。

仔猫の処分は、麻酔を使用することが多いようです。

やまを越えられるか、越えられないか。

その判断にかかる辛さは、相当なものであると思います。


「いつも、ずっと、悩みながら、業務を行っているんです。」


先生は、静かにおっしゃいました。



仔猫を苦しませないために、処分の数が増える場合もあるでしょう。

当然センターとしては、出来る限り「処分数」を減らしたいのです。

最近は、殺処分について、世の中から厳しい目が向けられています。

しかし、処分数を減らすということは、「死亡数」が増えるということ。

苦しんで衰弱死する仔猫の数が増えるということです。

「死亡数」については、厳しい目は少ないですから、体裁としてはそのほうが良いのだと思います。

けれど、獣医さんたちは、数は気にせず、しっかりと仔猫の状態を診て、とにかく苦しみが少ないと思われる選択をするよう、力を尽くしておられます。

余計なことは考えず、目の前の仔猫のことだけを考えて、行動する。

そして、だからこそ、とても悩み、苦しむそうです。



「基本的には、生き延びるほうの道を探ります。

なので、生き延びる可能性にかけ過ぎて、見極めを誤ることもあるんですよね。

やまを越えられると判断し、翌朝、その仔が死んでしまっているとき。

後悔するんです。

なんで、苦しまないうちに処分しなかったんだって、思うんですよね。

おなかすいてたんかなぁ、寂しかったんかなぁって・・・。

・・・どうしようもない気持ちになるんです。」



この仕事を経験したことなどない私たちには、何ひとつ言葉を発せられませんでした。

処分しなかったことを後悔する。

極限でしょう。

ここで働く方々が、精いっぱい命と向き合っていること、そのあまりに過酷な現実を、私たちは、しっかりと見つめなければならない。

そう思いました。




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次回は、最終章。

マリリンにも関係する、負傷動物のお話に触れたいと思います。


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