今日も明日も、マリリン日和

センター負傷棟から救出された雑種犬、マリリン。車いすを軽快に乗りこなすマリリンと、夫と、私。家族の日々の記録です。

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

>> EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

>> EDIT

動物愛護センター 3

前回の続きです。

前回は、センターに収容される犬の内訳や、殺処分の方法について書きました。

動物と暮らしたことのない方々からも、たくさんの反響をいただいております。

少しでも多くの人に知っていただくことができれば、本当にありがたいです。



今日は、法律の話をベースに、動物のことを考えていきたいと思います。

殺処分の記事は読めなかった、という方々も、今回は読んでいただける内容ではないかと思っております。




CIMG1291_R4.jpg




まずは、迷子犬が保護された場合の取り扱い。



これは、狂犬病予防法により処理をしています。

※ 狂犬病予防法は、主に捕獲された犬について、適用されます。
 (捕獲というと言葉があれですが、迷子の保護もこれにあたると考えられます)

  一方、動物愛護法は、主にセンターに持ち込まれたり、引取りを求められた犬または猫について、適用されます。



迷子犬が保護されると、最初に、近隣自治体の保健所などに問い合わせ、所有者から届け出が出ていないかを確認します。
(直近3か月分くらいは確認するそうです)

該当がなければ、ホームページや区の掲示板にて、5日間公示。

この5日間は、所有者がいる場合があり、所有権はその所有者に帰属するため、犬の各種検査はできません。

5日間が過ぎ、所有者が現れなければ、所有権が自治体に移ります。

そうなって初めて、その犬の健康状態について検査することができます。

血液検査等、各種の検査を行います。

そして、健康状態や性格など、あらゆる面を勘案し、譲渡対象となるか、殺処分となるか、判断します。

前回の記事で書きましたが、ここでの判断は、全獣医師の総意です。

病気など、多少の問題があっても、できるだけ譲渡の可能性を探ります。

そこにかなりの力を入れてらっしゃることは、先生のお話をお聞きしていて、痛いくらいに伝わってまいりました。



また、治せそうな病気であれば、治療をします。

とは言っても、税金の範囲なので、センター内にある設備や薬品で行うことのできる治療のみ。

よって、満足な治療とは言えません。

保護犬に多いフィラリアは、1回目の記事で触れましたように、注射による駆除のみ行っているようです。

時間をかけた治療をするには、それだけ収容期間がのび、治療費もかさみますから、その余裕はセンターにはありません。

注射による駆除は、犬の年齢、性格、フィラリア症の程度によっては、大変な危険がありますが、祈るような気持ちで、治療に臨んでらっしゃるそうです。

1回目の記事で登場しましたオムニちゃんも、もうおばあちゃんですが、この注射による駆除を耐え抜いてくれました。

こうして、治療を済ませた犬は、譲渡できれば譲渡となります。

けれど、治療をしても、家族に迎えてくれる人が現れなければ、処分となってしまいます。




CIMG1028_R4.jpg




ここで、殺処分について、法的なお話を。

楽しくない内容かもしれませんが、一度こういったことを考えておくのも、意味のあることではないかと思います。



殺処分の法的根拠は、何か。

保健所・センターが殺処分を行うのは不当である、法的に根拠がない、と責められることがあります。

実際、このセンターにも、そういったご意見はよく寄せられるようです。

今回、根拠について、改めて考えてみました。

この先、シリーズの中で法的な話にあたる部分は、先生のお言葉ではなく、すべて私が勝手に調べた内容ですので、その前提でご覧いただければ幸いです。

決まり事として最も優先される「法律」に示されている規定から、順を追って探ってみます。





まず、狂犬病予防法。

所有者による引取りのなかった犬について、「処分することができる」と定められています。

ここで言う「処分」は、「殺処分」とは書かれていませんので、殺処分だけでなく、譲渡などを含めた意味の処分と考えられます。

また、処分することが「できる」なので、処分「しなければならない」わけではありません。



それでは、動物愛護法では、どうでしょうか。

35条に、「犬又はねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない」とあります。(後ほど書きますが、引き取らなければならない、という文言については、9月1日施行の改正法により変更され、引取りを拒否できるようになりました)

殺処分に関する条文は、やはりございません。

35条7項に、「環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項本文の規定により引き取る場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。」とあり、動物愛護法は、詳細をそちらに投げた形をとっています。

では、その措置とは?



それは、「犬及び猫の引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について」という環境省の告示が、平成18年に出されています。
(平成25年に一部改正がなされました)

ちなみに・・・

国が定める決まり事としては、法律や告示、通達など様々なものがありますが、これらには、優先順位があります。

その順位は大まかに並べると、法律 → 政令・省令 → 告示 → 通達 といった順です。

法律が最も効力の強い決まり事。

法律で定められているものは、それがすべてにおいて優先しますし、法律で定められていない場合、その次の、政令や省令に書かれていることが優先します。

今回の措置というのは、法律でも政令・省令でもなく、告示にのみ定められているので、告示で定められたこの措置が、事実上優先します。



で。



この「犬及び猫の引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について」という長ったらしいタイトルの告示に何が書かれているかと言うと。

第4 処分

保管動物の処分は、所有者への返還、飼養を希望する者への譲渡し及び殺処分とする。

と定められています。



おそらく、行政が殺処分の根拠としているのは、この規定ではないかと思います。

ただ、この規定は、殺処分を選択肢のひとつとして選べる、といったものなので、読み方によっては、保健所・センターの努力により、返還・譲渡の道だけを選択すれば、殺処分せずに済む、と言えなくもありません。



それと、もうひとつ議論になりやすいのは、期限の問題。

5日間、7日間など、殺処分されるまでの期限が定められている、といったことをよく耳にしますよね。

この期限については、根拠となる法令は存在するのでしょうか。



殺処分の根拠と同様に、法律 → 政令・省令 → 告示に至るまで、順を追って探ってみましたが、期限の規定はありませんでした。

告示にも定められていないとなると、その次に位置する自治体の条例では、どうでしょうか。

私たちの地域における動物に関する条例の中に、収容動物について記載がありました。

引き取った動物について、5日間公示するものとする、といった規定。

そして、その期間内に飼い主が犬を引き取らないときは、これを処分することができる、といった規定。

ここで言う「処分」は、譲渡なども含めた意味での「処分」と考えられるので、5日という期限を過ぎたら殺処分する、と定められているわけではありません。



となると。

「返還・譲渡・殺処分と3つの選択肢が示されているのだから、すべての犬猫について、殺処分以外の2つの選択肢でいけばいいじゃないか。

期限を決めてそれが過ぎたら殺処分するというのは、行政の怠慢だ。不当である。」

そういった意見が持ち上がり、保健所・センターが責められるのです。



確かに、と率直に思う部分も、ございます。

しかし、殺処分の全撤廃を、保健所・センターの職員さんだけに押し付けるのは、違うように思うのです。

行政の仕事は、すべて予算で動いており、また、保健所・センターによって、市長の理解や市民の意識を始め、取り巻く事情は本当に様々ですので。

殺処分にも税金はかかりますが、引き取った犬猫を保護し続けるということは、それ以上の大きな税金がかかります。

収容施設の環境や、何匹まで収容可能か、という問題もあるでしょう。

多くの保健所・センターでは、予算も人員も不足している中で、与えられた環境と条件のもと、必死に努力されておられるのではないかと思います。

行政において、予算の問題というのは、とても大きいです。

また、画期的な行政の取り組みを行おうとする場合、関係各署の協力が非常に重要な位置を占めているものと思います。

市長など一定の権限のある方が、どのくらい理解を示しているか。

そして、この件について積極的に動いてくれる議員さんはいるか。

とても重要なことです。

市長クラスの権限のある方が「やる!」と言えば、物事って一気に動くこともあると思うので。

逆に、権限のある方々が乗り気でない場合、画期的な取り組みは、なかなか難しい。

ですので、動物たちの問題についても、そういった関係各署の協力・バックアップ、また市民の意識の高さといったものが、大きな鍵となるのではないかと思います。



権限のある方々を動かし、条例改正や予算の獲得などにつなげるために、間接的に私たちにできることもございます。

ひとりでも多くの人に、現実を、正しい事実を、広めること。

多数の人にまず知っていただかなければ、現状を変えようがありません。

そして、動物に対する意識を高く持ち、私たちで世論をつくってゆくこと。

大きな世論にするためには、動物が苦手な方々を日頃から思いやるなど、地道な取り組みが大切です。

飼い主のマナー等をしっかり徹底することも、動物を守るために私たちができる事柄であり、また柱であると思います。



殺処分を行う機関という意味で、何かと敵意を向けられやすい、保健所・センター。

しかし、問題の本質は、殺処分ではないと思うのです。

そもそも、なぜ行政がこれほど多くの動物を抱えなければならないのか。

行政にすべての責任を問い、仮に殺処分をやめさせたところで、問題は解決しません。



殺処分をやめろ!とピンポンダッシュで言ってくる人は、山のようにいるそうです。

つまり、名乗ることもせず、メールや電話で一方的にまくしたて、去ってしまう人たちです。

本当に、職員の方々の日々のご苦労、心からお察しいたします。


「殺処分をやめれば、捨てられる動物がいなくなるのか。

そうじゃない・・・殺処分が問題なのではないと思うのです。

捨てられる動物たちがこんなにもいるという事実が、問題なのではないでしょうか。」


そうおっしゃる先生の思いに、私たちも共感いたします。

問題の本質は、殺処分ではありません。



もちろん、飼えなくなるには事情がある、という人もたくさんいるでしょう。

以前、「高齢者と犬」の記事でも触れましたが、最近は、飼い主が高齢であることを理由に持ち込まれる犬が、とても増えているそうです。

背景にどういった事情があろうとも、動物たちにとって、飼い主がいなくなるという事実に変わりはありません。

迷子だろうと、事情があって飼えなくなった場合であろうと、その命を何とかすることを、まず考えなければなりません。

そのために、センターも、迷子札の啓発などを行い、また、里親探しのアドバイスも行っています。

けれども、それを踏みにじるように、平然と捨てる飼い主もたくさんいます。

それらの人間に対し、センターの方々が必死な取り組みを行っていることは、言うまでもありません。

殺処分に対する敵意をセンターに向ける前に、私たちは、捨てる人間についての問題を、積極的に考えなければならないのだと思っております。




CIMG3980_R4.jpg
「動物を捨てる人間には、必ずおそろしいことが待っています。おほほほほ。」




次回は、猫についてのお話です。




| 愛護センター | 07:40 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。