今日も明日も、マリリン日和

センター負傷棟から救出された雑種犬、マリリン。車いすを軽快に乗りこなすマリリンと、夫と、私。家族の日々の記録です。

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

>> EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

>> EDIT

動物愛護センター 5

前回の続きです。

今日で、シリーズ最終章。

祈りを込めて、最後まで綴りたいと思います。




迷子犬の対応、センター収容後の段取りについては、前回までに書きましたので、最後は、飼い主等による持ち込みの場面を考えてみたいと思います。

先生は、飼えないと持ち込んできた飼い主に対し、説得に応じない場合、必ずこう言うそうです。


「どうしてもと言うのなら、木曜日の朝、連れて来てください。

木曜日の午前中に、遺体の収集車が来るんですよ。

連れて来られた犬を朝のうちに処分し、そのまま遺体を運んでもらいますから。」


センターからこのように言われても、平然と連れてくる飼い主もいると言うのだから、感情のある人間とは思えません。

里親探しの努力もせずに、命を放り出す飼い主は、殺処分されていく様子をその目で見ればいい、と思います。




ちなみに、ブリーダーによる持ち込みはどう対処しているかお聞きしたところ、基本的には断っている、とのことでした。

ブリーダーだと確実に判断できるとは限らないけれど、引取申請書と一緒に身分証明書の提示があるため、そういったところをきっかけに判明した場合は、拒否するそうです。




ここで、引取りに関する法的根拠について。

私たちがセンターを訪れた2月当時は、まだ改正愛護法が施行されておりませんでした。

よって、動物愛護法第35条第1項に、「所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない」と定められておりました。

この規定により、これまで行政は引き取ってきたのです。

引取りの際に、私たちの市では、手数料として2000円をとっていますが、これについても、そもそも「引き取らなければならない」と法律が定めているのに、手数料をとっていいのか、といった問題があるようです。

これは、自治体によっても、意見が分かれるところだとか。

私たちの市では、実費分として、2000円だけをとっている状況です。

けれど、何か矛盾していますよね。

飼い犬が迷子になってセンターに収容され、飼い主がその返還を求めた際に支払う手数料は、3500円、飼養管理費が一日につき500円発生します。

それよりもセンターに持ち込む場合の手数料のほうが安いなんて。

先生も、「個人的には、この矛盾に腹が立って仕方がないし、納得がいかない。」とおっしゃっておりました。



で。



この動物愛護法第35条第1項。

ブログでも何度か触れてまいりましたように、9月1日から、改正愛護法施行により、「引き取らなければならない」という文言が、変更されました。

動物取扱業者から引取りを求められた場合のほか、一定の条件のもと、引取りを拒否できるようになりました。



こうして改正という前進を遂げたことは、素晴らしいことだと思います。

ただ、やはり、これだけでは、根本的な解決は難しい。

先生に、私たちの個人的な懸念をぶつけてみたところ、「まさに、それが問題なんです。」と身を乗り出して、おっしゃいました。



先生も、今回の改正にあたって、何度も会議に参加したそうです。

そこでは、各自治体の熱意ある職員さんが、力を合わせて、懸命に訴えていたようです。

「拒否したところで、一度捨てに来た飼い主が改心して飼うとは思えない。

拒否したら、ほかの場所で捨てられる犬猫が出て来るだろう。」

みなさん、それを最も懸念されているようです。

何度も何度も意見を出してきたけれど、結局、今回はこの改正で落ち着いてしまったとのこと。

今後、引取りを上記の理由で拒否する場合には、同時に、里親探しのアドバイスを精いっぱい行っていくとおっしゃっておりました。

もう一歩というところですが、とは言え、こうして明文化されたことで、センターの職員さんたちが、無責任な飼い主に対し、これまで以上に厳しい指導がしやすくなりました。

その点では、各自治体とも、引取り数の軽減、ひいては殺処分数の軽減に向けて取り組みやすくなったのではないかと思っております。

今回、こうして改正がなされたことだけでも、大きな一歩と考え、将来への希望を持ちたいと思います。





引取りについての補足事項をひとつ。

収容された犬猫について、センターから動物愛護団体に引取りをお願いすることも多々あるそうなので、その法的根拠を書いておきたいと思います。

動物愛護法第35条第6項

「都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする団体その他の者に犬及び猫の引取り又は譲渡しを委託することができる。」

この法律のおかげで、所有権の問題を回避して、愛護団体さんにお願いすることができます。

このように、たくさんの方々が、動物たちの命をつなごうと、身体を張ってくださっております。




CIMG4037_R4.jpg




最後に、負傷動物についてのお話に入りたいと思います。



マリリンのことがありますので、負傷動物の措置については、私たちがとても知りたいことでした。

負傷動物に関する規定は、3回目の記事で触れました「犬及び猫の引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について」の告示に定められております。

この告示の第2という項目に、負傷動物に関する記載があり、第1の3から6までの規定が準用されています。

第1の6には、次のような規定が定められています。

「都道府県知事等は、法第35条第1項本文又は第3項の規定により引き取った犬又は猫について、必要に応じて治療を行うこと。ただし、治療を加えても生存することができず、又は治療することがかえって苦痛を与え、若しくは長引かせる結果になる場合等、死期を早めることが適当であると獣医師又は都道府県知事等が判断した場合にあっては、この限りでない。」

この定めを根拠として、所有権の問題を回避し、必要と思われる治療行為を、引取り後すぐに行うことができます。



どの程度の治療をするのか。

前にも少し触れましたが、やはり予算の範囲内、つまりセンターに常備された薬品を使い、センターにある設備でできる治療のみです。

いわゆる、応急処置程度。

多数の菌に効果がある抗生物質などをよく使用しているそうです。



市内の動物病院に治療を委託することがあるか、とお聞きしたところ、それは一切ない、とのことでした。

動物病院にお願いすれば、治療費として、税金を支払うことになってしまうからです。

たとえば、横浜市では、獣医師会と委託契約をしていて、治療費5000円までを市が支払う規定があります。(2月当時の話です)

5000円以上の治療は、獣医がボランティアで行うことがあるとのこと。

横浜市は、人口も面積も大きく、職員だけでは対応しきれないという事情もあるようです。

私たちの市の場合は、一番遠い場所でもセンターから1時間半で行かれることもあり、自分たちですべてやっているのが現状、とのことでした。

例外的に、負傷動物を保護した人が病院に連れて行き、善意で治療費を支払ってくださったり、保護されて動物病院に運ばれた負傷動物を、獣医さんがボランティアで治療行為をしてくださったり、そういったこともあるようです。



このように、センターの獣医さんや様々な方の善意により治療をしてもらった犬猫ですが、ある程度傷が治ったあとは、通常の引取りの流れに乗ります。

つまり、譲渡か、殺処分。

痛い思いをして、命をつなぎ、やっと元気になった子です。

それなのに、殺処分になる可能性も少なくないのですよね。

マリリンが殺処分される前に引き出してくださった愛護団体の方々に、心から、本当に心からの感謝を申し上げたいと思います。



以上、負傷動物についてのお話でした。




CIMG4579_R3.jpg




先生とのお話も、これでおしまいです。

最後にひとつだけ、たずねました。

「マンパワー不足を感じるのは、どんなときでしょうか。」

この質問は、最初から用意していたものではありませんでしたが、先生のお話の中で何度かポイントになったところでしたので、改めてお聞きしたのです。



以下、先生のお話です。



「マンパワー不足は、常に感じています。

本当は、動物のためにできることを、全部やりたい。

けれど、自分たちの手では、やりきれないことがたくさんある。

それが、とても悔しいです。

また、啓発活動にも、もっと力を入れたい。

迷子札や鑑札の啓発、迷子になった場合の探し方の啓発。

それに、動物を飼うということや、命を大切にするということをテーマにした、小学校の愛護教室もやりたい。

小さな頃からこういった啓発をしていくことがいかに重要であるか、この現場にいると、よくわかる。

だからこそ、教育のほうにも力を入れたいが、現状では人手が足りません。」



日頃から胸にため込んでおられる悔しさが、一気にあふれ出すようでした。



すべてを終え、先生に心からのお礼をお伝えし、もう一度ふれあい犬とふれあってから、私たちはセンターを後にしました。





以上が、自分なりにまとめました、センターのご報告です。





私たちは、これまで、保健所・センターのことを調べる中で、狂犬病予防法などの古い法律に縛られている現実から、こう思っていたのです。

保健所やセンターは、人間のためにあるものではないか。

人間のために、動物を管理するのが目的なのではないか。

しかし、それは間違いでした。

少なくとも、私たちが訪れたセンターの理念、また、職員さんたちの中にある思いは、動物にも人にも向いています。

悲しい思いをする動物がいなくなること。

動物のことで困っている人がいなくなること。

そのために、懸命に命と向き合っておられました。




CIMG3992_R4_2013110514384379e.jpg




これで、愛護センターのシリーズは、おしまいです。

長い記事を最後まで読んでくださった方、本当に、心から感謝申し上げます。

私には、書くことしかできません。

マリリンとの愛おしい日々を伝え、保護犬との生活の素晴らしさを宣伝し、そして、自分が知り得た動物たちの現状を、このように発信することしかできない人間です。

記事を書き残しておくことで、後々、何かの形となってくれるのか、それとも、何の意味も持たずに終わるのか、わかりません。

それでも、きっとどこかにつながってゆくのではないかと信じ、このシリーズを綴りました。

動物と人間が共生できる社会へ。

祈りを込めて。




CIMG4005_R4.jpg




次回の更新は、水曜を予定しております。

あと2回となりました。

よろしければ、見に来てやってくださいませ。


| 愛護センター | 07:10 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。