今日も明日も、マリリン日和

センター負傷棟から救出された雑種犬、マリリン。車いすを軽快に乗りこなすマリリンと、夫と、私。家族の日々の記録です。

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『おかえり!ユキ』

本日は、ひとつお知らせがございます。



このたび、私が文を担当させていただきました1冊の絵本が完成し、7月10日に刊行することとなりました。



『おかえり!ユキ』という作品です。



本書は、郷土出版社より刊行されております、語り継ぐ戦争絵本シリーズの15巻目にあたります。

以前、「犬の献納~戦争と動物たち~」と、「語り継いでゆくこと」の記事に綴りました犬の献納をテーマに、現代の保護犬へと思いをつなげた絵本となっております。




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「犬の献納について、絵本の執筆をお願いできないか」



そんなお話をいただいたのは、ずいぶん前のことです。

当時、私などに到底、務まるものではない、とお断り申し上げるつもりでおりました。

けれども、「犬の献納」という言葉がどこか引っかかり、いつまでも胸をざわつかせていました。



お断り申し上げるにしても、調べるだけ調べてみよう。



その日から、少しずつ勉強が始まりました。

それは、想像していた以上に、苦しい作業となりました。

調べれば調べるほど、あまりにむごい事実のかずかずに、圧倒されたのです。

犬たちの恐怖、悲しい叫び、飼い主と引き離される絶望。

それらの強烈なイメージが、心を、頭を、身体じゅうを支配してゆきました。



そうした歴史を追う中で、あるひとつの思いが、胸底からわき上がりました。

戦時中、広場や檻に集められ、殺される運命にあった犬たちと、現代の保健所に収容され、処分される運命にある犬たち。

その姿は、同じなのではないか。

人間に責苦を負わされた犬たちのイメージが、時を駆け抜け、私の中で、悲しい一致を見せたのです。



人間は、何も変わっていない。

平和と言われる時代が訪れ、戦争が過去のものとして流されゆく、そんな今の世の中に、当時と同じ、犬たちの苦しみがある。

犬の献納について多くの方に知っていただくことは、現代の保護犬について知っていただくことにつながるのではないか。

私たちの世代が、語り継いでゆかなければ――。

そんな強い切迫感に突き動かされて、大変僭越ながら筆を執らせていただこうと、気持ちを固めた次第でございます。



戦争絵本シリーズは、若い世代に戦争を身近に感じてもらいたい、という思いからつくられております。

戦争体験者による手記や、史実を伝えるノンフィクションは、あまりに苛酷で、おそろしく、どうしても若い世代には敬遠されがちです。

語り継ごうとする手前で思いが閉ざされてしまうことも、少なくありません。

そういったことから、正確な史実や事実関係を把握した上で、それらを幹とし、作者の創造(想像)の枝葉をつむぎ、戦争を通して人間を描くという本シリーズの企画趣旨に、深く共感いたしました。



今回執筆させていただきました『おかえり!ユキ』も、犬の献納について史実をおさえ、また愛護センターへの取材を経て、フィクションの物語として完成させました。

お子さまに読んでいただけますよう、残酷な描写は避けております。



物語の創作を行ったことのなかった私にとりまして、ここに至るまでは、呻吟を尽くす日々でした。

幾度も壁にぶち当たりながら、ああでもない、こうでもない、と試行錯誤を繰り返し、長い月日を経て、ようやく思いをかたちにすることができました。



『おかえり!ユキ』の絵につきましては、絵本画家・上原ゆう子先生が、魂を削るようにして描いてくださいました。

その繊細な指先で、ユキをいきいきと躍動させ、作品に命を吹き込んでくださっております。



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本書は、出版社のホームページより、事前予約を受け付けております。

トップページの「ご注文」というところからネットを通じて予約できますほか、電話やFAXでも受け付けているそうです。

価格は、1,600円(税込1,728円)。

7月10日の刊行後、出版社から直接、ご指定のご住所へ発送いたします。

マリリンおなじみのRAINDOGS CAFEさんでも取り扱ってくださっておりますので、お近くの方は、お食事がてら、ぜひそちらもどうぞ。


<追記>

発刊後に本屋さんで買えますか、とのお問い合わせをいくつか頂戴しておりますので、出版社からの伝言を申し添えさせていただきます。

「小社は少部数しか発行できない地方出版社ですので、残念ながら、全国の書店さまに流通できるシステムになっておりません。

たいへん恐縮ではございますが、できましたら、事前にご予約いただけると、発刊後、確実にお手元にお届けすることができます。」

とのことでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。





動物に興味のある人も、そうでない人にも、子どもも大人も、できるだけ多くの方々に、当時の出来事を知っていただき、そこに確かに息づいていた命の存在を感じていただけたら……と願っております。



70年、かたちを変えながら続く彼らの苦しみに、逃げることなく向き合いたい。

戦時下の犬の献納から、現代の保護犬へ――。

本書を執筆するにあたり、私が追い求めたテーマです。



時代を越えて、なお続く、犬たちの思い。

どうか、ひとりでも多くの方々の胸に、届きますように。





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