今日も明日も、マリリン日和

センター負傷棟から救出された雑種犬、マリリン。車いすを軽快に乗りこなすマリリンと、夫と、私。家族の日々の記録です。

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『アンジュール ―ある犬の物語』

ここ最近、とあるきっかけにより、さまざまな絵本を手に取るようになった。

私が好きなのは、大人の胸にもしんしんと迫ってくるような、そんな作品だ。

先日出会ったこちらの絵本には、夫とふたり、涙を尽くした。





アンジュール―ある犬の物語アンジュール―ある犬の物語
(1986/05)
ガブリエル バンサン

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物語は、野の道を疾走する車の窓から犬が投げ捨てられる場面で始まる。

ガブリエル・バンサンの息も吐かせぬデッサンが、野良になった犬の姿を追ってゆく。

この絵本に、言葉はひとつもない。

孤独をまとい、飼い主の姿を追い求め、次第に絶望してゆく犬の、その表情、その姿、その呼吸。

うなだれる犬の背に、震える指をそっと這わせては、深い悲しみに引き込まれる。

胸が激しくかき乱されながらも、ページを捲らずにはいられない。

デッサンのみによって語られる犬の物語に、私たちは心を奪われ、モノクロの濃淡の世界へ、幾度も身を投じた。

最後には、孤独を包み込む救いが用意されていて、つらい涙は、温かな光へと変わる。

素晴らしい、本当に素晴らしい一冊を抱きしめることのできた幸運に、心から感謝したい。





こうした物語に触れるたび、私たちの胸に込み上げるのは、やはりマリリンのことだ。

何年もともに生き、彼女にとっておそらく唯一の頼りで、最も愛する存在だったであろう飼い主から、真冬の厳しい地にその身を打ち捨てられ、どれほど戸惑い、怯え、悲しみ、絶望したことだろう。

感覚の失われた下半身を、必死に引きずりながら、小さな胸で、何を思っただろうか。

保護された当時の、彼女の荒みきった目の奥に映る苛酷な体験を思うたび、今でも私たちは、正気を失ってしまう。

彼女の身に起こったすべての出来事を、彼女の感じたすべての悲しみを、この胸に抱きしめたい。

過去も、いまも、そして未来も。

愛おしい、愛おしい、私たちの娘よ。










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