今日も明日も、マリリン日和

センター負傷棟から救出された雑種犬、マリリン。車いすを軽快に乗りこなすマリリンと、夫と、私。家族の日々の記録です。

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ビバ!伊奈町 その2

おかげさまで、マリリンの下痢は、数日で良くなりました。

大雨の日を中心に、影響が出ていたように思います。

昨冬、三か月半にわたる下痢の間は、寒さのみが原因と思われておりましたが、もしかすると、寒さだけでなく、天候、気圧等のちょっとしたきっかけで、神経がやられてしまうようになってきているのかもしれません。

この子の残存神経に、どんな変化が起こっているのでしょう。

てんかんとの付き合い方を教えていただいた、私たちが信頼を寄せております方に、梅雨の時期も心配だね、とのお言葉を頂戴していることもありますので、これからの時期、この子の神経に注意を払ってまいりたいと思います。

日本の四季は素晴らしいけれど、マリリンの神経にとっては、厳しい環境ですかね。



さて、前回の続きです。

3週間ほど前の、元気いっぱいのマリリンをお送りいたします♪



                    



伊奈町のバラ園に遊びに出かけ、ゴキゲンに園内を散策するマリリン。

元気に歩く姿をちやほや誉めそやしながら後を追う、親バカ飼い主2名。

そんなマリリン家の面々をさておいて、この日もっとも注目を集めたのは、もちろん、車いすマリリン号であった。

行く先々で、みなさんの視線を一身に集めるハイテクマシンは、いつものように自在に地面を転がりながら、まんざらでもないらしい様子で、得意げに小回りを披露する。

銀色の車体を艶やかに光らせる彼(彼女?)に対する、こうした注目はいつものことだけれど、伊奈町では、これまで経験したことのないひと時が待っていた。



駐車場から園に入るまでの間、そして園内を散策中も、たくさんの人に声をかけられ、また遠巻きに、恋人同士やご家族の話題になっているようだったが、なんと、360度どこからも、「かわいそ~」が聴こえて来なかったのだ。

このブログにはたびたび綴ってきたけれど、マリリンは、ひとたび外出すれば、どこへ行っても、「かわいそ~!」 「うわぁ…悲惨~」 「なんだってこんなことに…!」などといった言葉を向けられる。

どうやら、マリリンの場合、高齢でもなければ、病を抱えた介護のようにも見えず、つまりは、そうなるはずじゃないのにそうなってしまった状態、みたいなちぐはぐな感じが、イコール不幸というイメージをつくり出し、いっそうこうした言葉を掻き立てるらしい。

何でこんなことに!と顔をしかめる人の内側には、何かしらの事故やミスでこのようなことになったのかという、飼い主の過失なり注意不足なりを問う気持ちが漂っていて、いずれにせよ、本来は負わなくとも良かった苦しみを負わされた犬、といった印象を受けるようだ。

かわいそうなどの言葉を投げかける方々に敢えて話しかけ、会話の中から、その胸のうちを探ってみると、上記のような心理が働いているのだということが、よく伝わって来る。

なるほど言われてみれば、ちぐはぐさに動揺し、悲しみや憤りなどの感情が込み上げ、同情のあまり、瞬発的にあれらの言葉が口を衝いて出るのであろうと、そうした場面に出会うたび、一応の理解に至る。

とは言え、いくら頭で納得してみても、かわいそうだの何だのといった言葉は、やはり、どうしようもなく私たちの胸をしんとさせるのだった。



当然、バラ園に行くのも、ある程度の覚悟を持っていた。

人の目に触れる場所へ行けば行くほど、そういう機会は増えるだろう。

けれども、憔悴を極めた冬を乗り越え、マリリンは、ようやく元気を取り戻したのだ。

彼女とめいっぱい楽しい休日を過ごしたいという思いを、無責任に放たれる言葉のために、どうして諦めることがあろうか。

この子が楽しく過ごせるならば、それでいい――。



そうして、家族だけで一日を楽しむつもりで、バラ園に臨んだ。

が、出だしからの思いがけない展開に、調子が狂い、あやうく全員ですっ転びそうになった。



まず、入場券売り場の女性に温かい言葉をいただき、そのやりとりを見守っていた周囲の方々から、「いってらっしゃ~い!」などと手を振って送り出される。

園内に入ると、四方八方から視線が集まるのだけれど、遠巻きに眺める人たちも、みな一様に、目尻にやさしい皺をにじませ、うんうん、と頷いて。

子どもたちは、意地悪な顔ひとつせず、やんややんやと応援の声をかけてくれる。

どこからともなく、「うわぁ~!」 「ちょっと見て!」などの言葉が聴こえてくるが、同じ言葉でも、いつも掛けられるそれとは、まるでニュアンスが異なった。

いつもは、うわぁ……

この日は、うわぁ

そんな感じ。

誰ひとり、眉間に皺を刻んでドン引きの目を向けたり、黙りこくったまま自らの好奇を満たすまで執拗に見物したり、そんなことはしない。

すれ違う人たちは、わっと目を見開いて、軽い興奮に息を弾ませつつ、

「がんばってるね~!」

「ひゃ~!すごい!がんばれ、がんばれ~!」

「カッコイイ~!」

前向きな言葉の、オンパレード。

私たちの頭は、大混乱。

戸惑いながらも、

「ありがとうございまぁ~す!!」

あちらこちらに、笑顔を向ける。



私 「ねぇ、一度でも、かわいそうとか悲惨とか、聴こえた?」

夫 「いや…聴こえない」

私 「こんな幸せって、ある? この後トンデモナイ仕打ちが待ってたらどうしよう」

夫 「う~ん、否めないね」

この状況を、にわかには受け入れ難い、飼い主2名。

だって、こんなことって、経験になかったんだもの!

思わず、

♪こんなことは~なかったぁ~すこし前まで~は♪

と、吉田拓郎の『リンゴ』を口ずさんでしまった。



休憩を挟みながら、のんびりと園内を散策したが、結局この日、最後まで、ただの一度も、かわいそうを言われなかった……。






「ビバ!伊奈町」



マリ坊は、そりゃあもう、ゴキゲンったらなかった。

明るい応援にいちいち応え、風を切って歩く。

もっとも瞳が輝いたのは、「カッコイイ~!」と言われたときだ。

鼻をツンと上げ、おちょぼ口でおすましし、車いすをリズミカルに振って、なにかモデルウォークのようになっていた。



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「ちょいと奥さん、きいとくれよ! みんながね、明るく声をかけてくれるんだよ。 こんなことって、あるんだねぇ」


ゴキゲンいっぱい、胸いっぱいのマリリン。

そんな彼女の様子に、すっかり浮かれた飼い主2名は、浮かれついでに、バラとマリの記念撮影をすることにした。

車いすごとヨイショと持ち上げ……はい、こっち向いて~!



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「向いたよ」



途端に、テンションがた落ち。

すっと静まり返ってしまった。



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「何かしら、このヤラセ感」



そんなこんなで、バラ園と人々のやさしさを堪能した私たちは、おなかをグウグウ鳴らしながら、ある場所へ向かった。



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以前、こちらの記事で登場していただいた、tack cafeさん。

バラ園のすぐ近くに位置する、マリリンもお気に入りのカフェ。

テラス席が犬OKとなっており、田園風景を見渡せるその空間は、すこぶる居心地が良い。



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「初めてのときは緊張してピョロピョロ鳴いちゃったけどね、今じゃあすっかりアタシの庭なの。 さ、とりあえず、ご飯にしてちょーだい」



犬メニューはないので、お店の方にご許可をいただいてから、持参したマリ用のごはんをあげさせてもらう。

母ちゃんが袋を開けるのに手間取っていると、



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「ねむくって、ねむくって……」


マリ坊が舟を漕いでいた。

バラ園でたくさん遊んだもんね。

ごはん食べたら、ゆっくりおやすみ。



マリのごはんを済ませたところで、人間の食事が登場。



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自家製の野菜が、みずみずしく器を彩り、目もおなかも満たしてくれた。



ふと足もとを覗くと、



CIMG5947_R4.jpg
こんな。



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「風に吹かれて、アンニュイ、アンニュイ」


マリリンなりに、何か考え事でもしているのかと思えば、



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「あたしゃ、もう、ねむくって、ねむくって……」


だよね(笑)



こちらのカフェでも、かわいそうだの何だのという言葉は、誰からも向けられなかった。

帰りの車の中で話をしていて気がついたのだけれど、思い返してみれば、これまで幾度も伊奈町を訪れ、ロング散歩を楽しみ、カフェにお邪魔したが、心が沈む思いをしたことは、一度もない。

何だか妙に、身体の奥から力が湧いて来た。

それに鼓舞され、翌日、意気揚々と出かけたら、「かわいそう…」 「うわぁ…」 「なんてひどいこと…」のオンパレードで、いささかげんなりしたのであった。



ビバ!伊奈町 ヽ(´▽`)ノ



| マリリンの暮らし | 10:26 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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