今日も明日も、マリリン日和

センター負傷棟から救出された雑種犬、マリリン。車いすを軽快に乗りこなすマリリンと、夫と、私。家族の日々の記録です。

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拝啓 クルタン

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クル、元気にしていますか。

そちらで楽しくやってる?

いつもマリリンの心配ばかり、仲間そっちのけにして、みんなからブーイングを浴びているんじゃない?

マリのことは大丈夫だからそんなに様子を見に来なくてもいいよ、と言いたいところだけれど、この子は見ての通り、何ともデリケートな子でね、まだまだクルの見守りが必要みたいなんだよ。

姉ちゃんが頼りないもんだから、ごめんね。



アレルギーの時も、びっくりしたでしょう。

目が開かないほどに顔がパンパンに腫れちゃって、まるで別犬……というよりむしろ、ちょいとおたく、どういった種類の生物だい?ってな具合だったもんね。

だけどクルが付きっきりに見守っていてくれたから、姉ちゃんは無事に車で病院へ連れて行くことができたんだよ。

ありがとう。



クルがお空へ旅立ってから、今日で4年。

姉ちゃんは、今もクルの気配を感じるよ。

そしてね、クルと過ごした時間の、その記憶の断片が、時折ふとした瞬間によみがえるんだよ。

あの時クルは、何を思っていたんだろう。

あの突飛な行動は、何を意味していたんだろう。

あの目で懸命に伝えようとしていたことは、何だったんだろう。

そんなことを考えるんだよ。

姉ちゃんがいつかそちらへいったら、たくさんのことを訊いてみたい。

でも、仮にね、そちらでも言葉を交わし合うことができないのだとしても、それでもいいと、最近は思うの。

言葉のやりとりができないからこそ、その目で、その温もりで、その息づかいで、気持ちのやりとりをする。

心を通わせようと、互いの内なる声に、そっと耳を澄ませる。

それは実は、とても素敵なことなのだと思うようになったんだよ。



寒くなるにつれて、マリは少しずつ鬱々としてきているよ。

冬季うつ病だと言って、私たちがからかうと、怒ってカーペットを掘りまくるんだよ。

笑っちゃうでしょ。

身体の不調から来るビビリも、冬にかけて増えてくるだろうね。

音も気配も、何もかもがこわい病。

クルもビビリだったもんねぇ。



マリの心身がどういう状態か、私たちは知ることができないの。

神経の断裂が身体ぜんたいにどういった影響を及ぼすのか、下半身の感覚がないってどういう感じなのか。

それにより、目に見えない鈍い不調、不快さだったり痛みだったり、そういう苦しみが日常的にどの程度あるのか。

また過去に受けた心の傷は、どれほど深いものであるのか――。

私たち夫婦には、何もわからない。

ただひたすらその生をともにし、マリの様子から、さまざまに想像を重ねてゆくしかないんだよ。

いくら想像しても、苦しみはなくならないと思うけれど、それでも、抱える不安の和らぐ瞬間が、少しでもこの子の中に生まれてくれたら……。

そんな風に願うんだよ。



なかなかそちらでゆっくりさせてあげられなくて本当に悪いんだけど、姪っ子マリリンのこと、どうか見守ってやってね。

マリがパニックの時は、大丈夫だよって寄り添ってあげて。

この子は、叔父さんの言葉がいちばん安心できるみたいだから。



それじゃあ、またね。

いつもありがとう。

お空のお仲間さんに、よろしくお伝えしてね。



姉ちゃんより

クルタンの命日に寄せて




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